先日の記事で触れたように、チーターには界隈を追放される者、自ら姿を消す者、それにチートから足を洗いプロシーンに復帰する者がいます。
今回はそれぞれの末路をたどった選手たちを取り上げます。
先日取り上げた、APEXのチート問題で過去のチート仕様を認めたプレイヤーを始めとした、チート使用者の今後を考える上での参考になればと思います。
※この記事はチートの使用を推奨するものではありません。チートは使用しないのが一番です。
OpTic India forsaken選手

一人目はまだ記憶に新しいCSGOのプロ選手、forsaken選手です。
彼はeXTREMESLAND ZOWIE Asia CS:GO 2018にインド人選手で構成されるOpTic Indiaの選手として出場していました。
ちなみに、この大会には日本のチームであるSCARZ Absoluteも出場しています。
forsakenがチートを使用するに至った経緯
afkgamingのメール取材にて、彼はチートを使用する原因についてこう述べています。

There was no pressure from anywhere, it was all me who wanted to win everygame, wanted to be perfect in every aspect of the game.
https://afkgaming.com/archive/articles/forsaken-breaks-his-silence-an-apology-and-his-perspective
かんたんに翻訳すると「どこからもプレッシャーは掛けられていなかった。私自身がCSGOで常に勝利することを望み、このゲームにおけるあらゆる側面で完璧でいたいと思った。」といったような内容。
ですが本当にそうでしょうか。
チート(というよりも悪事全般)行為をしている人間が、そのような行為をするに至る原因には本人の素質ももちろんですが、彼らが育った環境や国の考え方が大きく影響しているという意見があります。
例えばPUBGで使われるチートは99%が中国産で、なおかつチートによりBANされるユーザも中国人が多くを占めています。
中国は他の国や地域に比べて人口が多く、また、中国の厳しい検閲の中でプレイできるゲームも少ないため一つのゲームに人口が集中しやすいのも原因と言われていますが、率として多いのは事実で、嘘か本当かわからないけど全てのPCにチートツールを導入するPC BANG存在もしているようです。
また、ゲーム外の要素として中国の教育のあり方もチーターの蔓延に一役買っているとの味方があります。

中国では全ての点において優れている子供を表す「他の家族の子供」という隠語がある。その子供の“伝説的”とも言える話を両親、教師、親戚から聞かされる。その話の後は決まって、その子のように良い成績を収め、才能を開花させ、様々な賞を取らなければいけないと教えられる。
https://fpsjp.net/archives/327468
良くも悪くも、中国は競争が過激なようです。
親や世間から重圧がかかりすぎた結果、不正な行為によって自分をよく見せようとするのもわかる気がします。
このあたりの文化や考え方については以下のゲームをプレイすることで学ぶことができます。
親が子供の能力をカードに行う”メンツバトル”など節々に皮肉が効いていて楽しいです。

韓国なんかも比較的それに近いものがあって、大学の受験のカンニング問題や重度の学力重視社会が問題氏されています。

さて、ここまで中国と韓国の文化とチートの関連性について書きましたが、forsaken氏の故郷であるインドはどうでしょうか。
インドにはいわゆるカースト制度というものが存在していました。
職業面では世襲が原則でしたが、働き口に限界があるので、その場合は自分のカーストよりも下の仕事に就くことは許されています。食事の席でも同席することができないような決まりがあるなど、生活の隅々まで規制が作られました。
https://www.compathy.net/magazine/2015/12/14/the-caste-system-and-the-state-of-india/2/
私は職業柄、日本でIT系の職業につく方と話す機会も多くその方から聞いた話では、現在はカースト制度は正式には廃止されているものの、やはり文化として根付いていた制度は強力で廃止後も実質的に制度は残っており、その支配から逃れるためには新しめの産業に従事(それもグローバルな企業)する必要があるとのことでした。
OpTic Indiaは名前こそインドですが、運営はアメリカが行っています。
よって、彼がインドの古臭いカースト制から抜け出すための道がプロゲーマーであり、死んでもしがみついていなければならない道だったのかもしれません。
そう考えると、彼らはそういう重圧は常に掛かっているのが当然なので「 どこからもプレッシャーは掛けられていなかった。 」というのかもしれませんが、実際は彼らでは気づけない重圧が掛かっていたのかもしれません。
forsaken選手の末路
forsaken選手はチート使用の結果、アジアプロリーグから5年間のBAN処分を受けました。
BANの解除は 2023年10月25日です。

また、彼のSteamページを見る限り 2019年09月21日にVAC BANを受けた痕跡もあります。
2018年の件でVACにもBANされたのか、MM等で新たにBANされたのかは不明ですが、VACは独自にユーザをBANするはずですので新たにBANされた可能性が高いです。
VAC BANを受けたことによりforsaken選手は二度とValve主催の大会には参加することができません。
ESLの大会はVACのBAN履歴を参照しますが、BANから2年経過後には出場資格が与えられるため、彼が大きな大会に出場できるのは早くても2021年の9月頃となるでしょう。
ですが、彼に対する風当たりは強く、すでにMEME化していたり彼を中傷するWeb記事は数多く存在します。
ValveはBANしたユーザに厳しく、二度と公式大会に参加させることはありません。
Major大会への道が絶たれ、戦いの場がESL等に限定された彼に残された道はあるのか。気になります。
後記
今回の記事で取り扱ったforsaken氏ですが私は当時からこの事件を追っていたので、「BANされたけど後3年でBAN解除されるぞ!まだ行けるかもしれん、頑張れ」的な流れで記事を構成するつもりだったんですが、記事をかきあげて事実確認をするためにliquipediaを確認したら19年の末に新たにVAC VANを食らっていました。
少し応援していただので悲しいです。やはりチートは麻薬なのか・・・
コメント